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ステレオタイプがもたらすリーダーシップの落とし穴

ステレオタイプとは

「ステレオタイプ」とは、
特定の人や集団に対する固定観念のことです。

性別、年齢、国籍、職業などに基づく先入観が、
無意識に仕事や人間関係に影響を与えることがあります。

リーダーにとって、チーム全体のパフォーマンスを引き出すことが重要ですが、
無意識に持っているステレオタイプは、
チームワークを妨げる「抜け穴」となることがあります。

気づかないままステレオタイプに基づいて判断すると、
信頼関係を損ね、組織の成長に悪影響を及ぼすことはあるのです。

若手社員に対する固定観念の落とし穴

ある企業のプロジェクトリーダーの例をご紹介します。

新しいチームを率いることになりました。
リーダーは「若手は経験が浅く、責任のある仕事を任せるのはまだ早い」
という固定観念を持っていました。

そのため、メンバーだった20代の若手社員の数名に対し、
比較的単純な業務しか与えず、
重要な会議や意思決定の場に参加させることも避けてしまいました。

しかし、若手社員の中には積極的に挑戦したいと考えていたメンバーが含まれていました。

リーダーの判断によって、
彼らは自分の能力を十分に発揮できないまま、
仕事に対する興味関心を失い、
結果としてプロジェクトは活気ない雰囲気になっていきました。

リーダーは、しばらくこの事態を
ありのまま把握することができませんでした。
(思い込みのメガネを通して状況を見ていたから)

ステレオタイプがリーダーシップに及ぼす影響

このケースは、
リーダーがステレオタイプに無意識のうちにとらわれて
部下の成長を妨げるケースでした。

リーダーはチーム全体の可能性を見極め、
個々の能力を引き出す必要がありますが、
固定観念に基づく判断はその視野を狭めてしまいます。

さらに、メンバーは「自分の努力や意欲が認められていない」と感じた場合、
リーダーへの信頼の損失につながり、
チーム全体の活気や生産性にも悪影響が及びます。

リーダーがステレオタイプの落とし穴に気づくために

リーダーシップの「落とし穴」に落ちないために、
無意識に持っているステレオタイプに気づき研修を実施しました。

そのステレオタイプをどうしていくか、
それについてもプランを立てました。

多くは、違う層とのコミュニケーションの機会を増やし、
耳を傾けて、知らないことを知る試みのチャレンジをすることについて
それぞれできることを計画化しました。

参考までに、研修のまとめに使った
ステレオタイプを打破するポイントを
このブログでもご紹介します。

1. 部下に耳を傾ける

部下がどんなスキルや目標を持っているのかを
ヒアリングする習慣を持つ
ヒヤリングとは、正確に聞き取ることをいう

2. フィードバックを活用する

メンバーからのフィードバックを受け入れて、
自分の判断に偏りがないかを確認する
必要に応じて軌道修正する

3. 多様性を尊重するリーダーシップを磨く

異なるバックグラウンドや価値観を持つ人々との交流を増やす
自分に多様な視点を取り入れ、
無意識のステレオタイプを解消することを意識する

4. 自己成長を促すセルフリフレクション

日々のリーダーとしての行動を振り返る
自分の考え方は多面的かどうかを自己評価する
第2の視点、第3の視点を探してリフレクションする

柔軟なリーダーシップで組織の成長を促す

リーダーがステレオタイプにとらわれると、
組織の成長を妨げる落とし穴が生まれます。

メンバーの意欲や能力を見逃すことになると、
チーム全体の士気も下がることは予想に難しくありません。

結果として成果にも悪影響を及ぼすリスクが高まります。

リーダーとして求められることのひとつとして、
先入観にとらわれない柔軟な視点で部下と向き合うことがあるでしょう。

部下の個性や強みを正しく理解し、
彼らの成長を促すリーダーシップを発揮することで、
組織全体のパフォーマンスを引き上げることさえ、
可能だということについて
リーダーシップ研修をさせていただきました。

この記事を書いた人

marco

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