リーダーシップを高めるためには、何が必要なのでしょう?
よく「リーダーシップは持って生まれた才能だ」と言われます。
もちろん、生まれ持ってのすごさ、というのを人それぞれ持っているわけですが、
「リーダーシップは持って生まれた才能だ」は、いささか偏った発言だと感じます。
リーダーシップは、日々の行動を積み重ねる中で育まれるスキルです。
個人的には、その成長を支えるのが「大量試行」という考え方です。
「大量試行」って何?
簡単に言うと、リーダーシップを発揮する場面をたくさん経験し、小さな挑戦を繰り返すことです。スポーツや料理の練習をイメージしてみてください。本を読んで理論を学ぶだけでは上手になりませんよね。例えば料理なら、レシピを読んだだけでいきなり美味しい料理が作れるわけではなく、実際に何度も作ってみることでコツをつかむものです。
リーダーシップも同じで、「実践」を通じて学び、改善し、少しずつ磨かれていきます。そのためには、まず行動を増やす、つまり「大量試行」が欠かせません。
小さなチャレンジが積み重なる
以前、新任マネージャーの方から「どうすればリーダーらしく振る舞えるのかわからない」と相談を受けたことがあります。これに類似したご質問をいただくことは多いのです。
さて、その方は「自分が完璧でないと部下に示しがつかない」ととらわれていて、結果的に行動を起こすことをためらっていました。大変冷静な方で、そもそもそれをご自覚なさっていてのご相談でした。
私は、「まずは小さなことからやってみるのはどうでしょう?」と提案しました。
例えば、部下に「最近どう?」と軽く声をかけるだけでも立派なリーダーシップの一歩です。その後、その反応を観察して、次にどうすればいいか考える。その繰り返しで、少しずつ自分のスタイルが見えてくるのではないでしょうか。と。
つまり、答えをどこかに探しにいくのではなく、自分の経験の中から探し出すというやり方です。
そのマネージャーは、同意。早速行動開始でした。
最初はぎこちなかったものの、小さな行動を止めずに積み重ねていきました。
数ヶ月後には「自分でもリーダーとして部下と向き合えている気がする」と、笑顔で報告してくれました。リーダーシップは特別な才能ではなく、日々の行動を通じて作られていくものだと改めて感じた出来事でした。(コーチングサポートによる実際の例をデフォルメしました)
失敗も成長の糧
「大量試行」を意識するとき、避けて通れないのが「失敗」です。
失敗にネガティブなイメージを持つ人は多いかもしれません。実際に失敗すると落ち込んだり、自信を失うこともありますよね。でも、考えてみてください。私たちの人生では、成功よりも失敗の方が圧倒的に多いものです。そして、振り返ってみると、失敗こそがその後の自分を成長させてくれた経験だった、ということが意外と多いのではないでしょうか。
実は、結果を出している人たちに共通しているのは「失敗経験の多さ」です。
わたしが(勝手に)師匠と仰いでいるKさんという大実業家の方は、実に驚くべき多くの試行を繰り返し、その中で失敗を経験し、そこから得たものをまた検証することを繰り返しています。その量も大量です。もと大リーガーであるイチロー氏のご活動をメディアを通して見る限りでも、同じことを感じます。
成功はその延長線上にあるというのは、その方々が証明してくれています。
また、失敗は自分の成長だけでなく、他の人々にとっての学びにもなります。例えば、何かをやってうまくいかなかった経験を共有することで、後に続く人々の助けとなり、結果としてその人の存在が後世に影響を与えることもあるのです。
私自身も、リーダーシップを発揮しようとして失敗した経験が(星の数程度😰)あります。初めて大勢の前で研修を担当したとき、全員の意見を引き出そうと意気込んだ結果、時間が足りなくなり、収拾がつかなくなったことがありました。そのとき、「リーダーシップとは全員に応えることではなく、方向性を示すこと」だと気づかされました。失敗しなければ、この学びには気づけなかったと思います。
失敗したからといって、それで終わりではありません。むしろ、そこから得た教訓を次に活かすことができれば、その失敗は大きな価値を持つのです。いえ、大きな価値に変わっていきます。
ですから、失敗を恐れて行動しないよりも、まずは一歩を踏み出してみる方が、リーダーとしての成長につながるのではないでしょうか。
リーダーシップは「筋トレ」
リーダーシップは筋トレと似ています。
一度だけ重いものを持ち上げても、筋力はつきません。
少しずつ負荷を増やしながら繰り返すことで、強くなっていきます。リーダーシップも同様に、小さな行動を何度も繰り返すことで力を育てることができます。
大量試行を始めるためのアイデア
具体的には、以下のような行動から始めてみるのはいかがでしょう?
- 朝礼で一言、自分の考えを話してみる
- 部下に「ありがとう」と直接伝える
- 会議で進行役をやってみる
- メンバーに「どう思う?」と質問を投げかけてみる
こうした小さな行動の積み重ねが、リーダーシップの感覚を育んでくれます。特別なことをする必要はありません。日常の中で少しずつ挑戦を増やしてみてください。
実践へ✨
リーダーシップを高めるためには、「大量試行」が欠かせません。大切なのは、完璧を目指すことではなく、まず動いてみること。その中で、少しずつ自分らしいリーダーシップの形を見つけていくことが大事だと思います。
「どんな行動から始めればいいだろう?」と悩むこともあるかもしれません。
実は、それを考える時間すらも成長の一部です。
(ただ、考える時間を多くかければいいのではありませんが)
まずはできることから、小さな一歩を踏み出してみるのはいかがでしょうか。その積み重ねが、きっとあなた自身を、そしてチームをより良い方向に導いてくれるはずです。
ぜひご利用ください
当研究所では、研修のご導入をご検討の企業担当者の方に向けて
無料相談会を開催しています。
ヒューレット・パッカード社の創業者が残した「人の成長なくして企業の成長はない」というメッセージは、その後リーマンショック等を経て事実上各社で証明され続けている実態があります。こうしたことからも、企業では社員を育成するための様々な研修を企画されていることと思います。
当研究所では、研修のご導入をご検討の企業担当者の方に向けて企業様ごとの個別無料のオンライン相談会を開催させていただいております。お気軽にお問合せ・お申し込みください。
そのほか、自社の研修を新たに導入することに関するご相談をオンラインでお受けしています。
・現状ではどういった研修を導入すると良いのか
・研修はどの頻度で実施すると良いのか
・フォローアップはどのように進めると効果があがりやすいのか
・階層ごとにどういった教育が必要なのか
・自社の教育体系施策を作成したいが、作り方がわからないし現実的かがわからない
など、従業員育成に関するあらゆるご相談を無料でお受けしております。
ご希望の方は、以下のお申し込みフォームからお申し込みください。
追ってご連絡をいたします。
ぜひ、無料個別相談をご利用ください。
組織こうどう研究所