今日は、自分の経験を通しての学びをコラムにしてみました。
25年近く前の話です。当時は、リーダーシップ研修を担当させてもらえるようになった研修講師初期の頃でした。当時は、リーダーの役割をご紹介せずに研修を進めていました。研修をリードしながらもどかしさを覚えることもあったのですが…ある時、「役割が明確になれば!」と思い、研修内容に差し込んだところ、参加してくださる方々の理解速度が一気に上がりました。
自分は知っているから、つい省いてしまったんだろうと思います。大いに反省し、以後は何のテーマで研修を担当させていただいても、役割については最初にご紹介することにしています。
リーダーの役割とは?チームを成功に導くための5つのポイント
リーダーシップについて考えると、「自分には向いていない」「部下にどう接していいかわからない」と悩む声をよく耳にします。でも、リーダーとは特別なスキルが求められるわけではありません。日々の中で少しずつ意識を変えていくだけで、チームを動かす力が自然と育まれるものです。今回は、リーダーの役割について5つのポイントを挙げてお伝えします。(少々、自分の反省をこめて💦)
役割1、チームメンバーの行動継続に力を貸す
「部下が行動を続けてくれない」「最後まで完走しない部下が多い」と感じることはありませんか?
行動を継続するためには、チームメンバーが「やる意味」を見出せる環境づくりが重要です。
例えば、新しい業務を始めたばかりのメンバーがつまずいているとき、「その取り組みがどう役立つか」を具体的に示すことで、自信ややりがいが生まれます。
以前、メンバーの進捗が止まっていることに気づいたとき、「ここまで進めたんですね。次はこうしたらもっと良くなると思うので早速やってみて」と声をかけました。すると「自分がやっていることが評価されている」と感じたそうです。それから、さらに行動を続けてくれました。
リードをする立場の人は、
メンバーの小さな努力を見逃さず、適切なサポートを提供することが求められると思いました。
役割2:チームの目標を設定し、導くべき方向へチームを誘導する
チーム全体が目指すべきゴールを共有することは、リーダーの重要な役割です。
目標が曖昧なままだと、メンバーの努力がバラバラになり、チームの成果がまとまりません。
私は以前、目標の定義が曖昧なままプロジェクトをスタートさせてしまったことがあります。その結果、チームメンバーはそれぞれ異なる優先順位で動き、効率が落ちてしまいました。この経験から、目標をしっかり設定し、それを共有することの大切さを学びました。目標をチームで話し合いながら明確にし、「一緒に達成しよう」という姿勢を示すことで、全員が同じ方向を向けるようになります。
役割3:メンバーの模範になる
「チーム全体の行動基準はリーダーの行動に影響される」と言われます。リーダーが積極的で誠実な態度を見せれば、自然とメンバーにも良い影響を与えられるものです。
以前、忙しい中でつい約束を後回しにしてしまったことがありました。その影響で、メンバーも締切を守らなくなるという事態に。この経験を通じて、リーダー自身の行動がいかに重要かを痛感しました。どんなに小さな行動でも、模範を示すことがチームの文化づくりに繋がります。
役割4:メンバー間の情報を共有する
情報共有はチームにとって血液のようなものだと思います。どんなに優れたチームでも、情報が行き渡らなければスムーズな動きは期待できません。「こんなことは言わなくてもわかっているだろう」と思わずに、積極的に情報を開示することが大切です。
例えば、月に一度のミーティングでプロジェクトの進行状況を全員で確認したり、チャットツールで日々の進捗を共有するだけでも、全体の一体感が生まれます。情報が共有されると、自然と「自分もチームの一員なんだ」という意識が高まり、連携がスムーズになります。(共有を太字にしたのは、ここが案外肝の部分だと思ったから。なぜならば、「教える」だったらうまくいかないケースが多かったからです、という意味を込めて☺️)
チーム内での情報共有が不足すると、連携がスムーズにいかなくなるだけでなく、メンバーが孤立感を抱く原因にもなります。リーダーは、情報を「伝える」だけでなく、「どう共有するか」を工夫する必要があります。
たとえば、週に一度の短いミーティングを設けて、進捗状況や課題を全員で共有する場を作るのも一つの方法です。さらに、チャットツールや掲示板などを活用することで、情報共有の効率が上がり、メンバー同士の連携が強化されます。情報が行き渡ると、自然と「一体感」が生まれるものです。
役割5:チームメンバーの育成
リーダーは、メンバーの成長をサポートすることも重要な役割です。短期的な成果だけでなく、長期的な視点でメンバーを育てることで、チーム全体の力が底上げされるケースを多くみてきました。
たとえば、部下に新しいタスクを任せるとき、最初から完璧な結果を期待するのではなく、「次はここを工夫してみるといいかも」といったアドバイスをすることで、成長を促すことができます。
以前、私は「自分がやった方が早い」と思ってしまう場面がありましたが、時間をかけてメンバーに任せた結果、メンバーのスキルが大きく伸びてわたしはチェックだけで済むようになりました。信頼して任せることが育成には欠かせない、と思いました。
リーダーの役割を認識できているかどうか
リーダーの最大の役割は、チーム全体を良い方向に導くことに尽きると思います。
そのためには、行動継続の支援、目標設定、模範としての行動、情報共有、育成の5つが重要です。
これらは特別なスキルではなく、日々の行動の中で少しずつ実践できることばかりです。
ただ、個人的には、その前提として、「リーダーの役割を認識できているかどうか」が非常に大切だというのがスタンスです。リーダーとしての役割を十分に知らないまま、そのポジションに立っている場合は迷走してしまうこともあるでしょう。「とにかく結果を出さなければ」と焦ったり、「部下の自主性に任せればいい」と放任しがちになったりするのは、その一例です。余談ですが、自己流でやっていたあるリーダーは、メンバーを下の名前で呼び、何かといえばボディタッチをし、仲間意識を形成しようとしましたが、完全に裏目に出てトラブル化したケースがありました。
リーダーの役割を理解することで、チームにとって何が必要で、自分がどのように関わればよいのかが明確になります。その結果、チーム全体の力を引き出し、良い方向へと導く道筋が見えてくるのです。
まずは、役割を確認する。そこから、改めて取り組み課題を整理するのも一つだと思います。
チーム全体の成長につながるために!
ぜひ、ご利用ください。
当研究所では、研修のご導入をご検討の企業担当者の方に向けて
無料相談会を開催しています。
ヒューレット・パッカード社の創業者が残した「人の成長なくして企業の成長はない」というメッセージは、その後リーマンショック等を経て事実上各社で証明され続けている実態があります。こうしたことからも、企業では社員を育成するための様々な研修を企画されていることと思います。
当研究所では、研修のご導入をご検討の企業担当者の方に向けて企業様ごとの個別無料のオンライン相談会を開催させていただいております。お気軽にお問合せ・お申し込みください。
そのほか、自社の研修を新たに導入することに関するご相談をオンラインでお受けしています。
・現状ではどういった研修を導入すると良いのか
・研修はどの頻度で実施すると良いのか
・フォローアップはどのように進めると効果があがりやすいのか
・階層ごとにどういった教育が必要なのか
・自社の教育体系施策を作成したいが、作り方がわからないし現実的かがわからない
など、従業員育成に関するあらゆるご相談を無料でお受けしております。
ご希望の方は、以下のお申し込みフォームからお申し込みください。
追ってご連絡をいたします。
ぜひ、無料個別相談をご利用ください。
組織こうどう研究所