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仕事に追われているとき、集中して企画を練っているとき、あるいは会議の資料作成に追われているとき。そんなタイミングで「ちょっといいですか?」と部下に話しかけられること、ありますよね。正直なところ、「今じゃない!」と言いたくなるのも無理はありません。
でも、少しだけ考えてみてください。部下が声をかけるとき、それはどんな時でしょう?
そうでなくても、上司に話しかける時はいろいろと考えるものです。
ということは。「本当に今、話したい」からこそではないでしょうか?
忙しいときに部下の声に耳を傾けることは、決して仕事の妨げではなく、むしろ機会なのではないでしょうか。
今日は、「なぜリーダーは忙しくても部下の話を聞くべきなのか?」を掘り下げながら、
実践的な対応策をご紹介していきます。
リーダーが「今は無理!」と言ってしまう心理とは?
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「申し訳ないけど、今は無理!」と即答してしまった経験、ありませんか?
リーダーなら誰しもが陥りやすい心理的な罠です。
多くの場合、リーダーが忙しいと感じるのは、次のような状況ではないでしょうか。
- 重要な会議の準備に追われている
- 企画を考え、アイデアが湧いている最中
- 期限が迫る仕事を抱えている などなど。
こうしたとき、リーダーの頭の中は「今やるべきこと」でいっぱいになり、他のことに割く余裕がなくなります。すると、部下の話を「割り込み」と感じてしまいがちです。そして、つい「後にして!」という考えが浮かんだりする…。
しかし、ここで少し視点を変えてみるとどうでしょうか。
部下にとっては、「今、相談したい」という切実な理由がある のかもしれません。
もしかしたら、大きな問題が発生しているのかもしれないし、小さな不安を放置すれば後々トラブルに発展するかもしれません。
つまり、リーダーが「今は無理」と言ってしまう心理の背景には、「自分の業務に集中したい」という本能的な反応があるのですが、それはリーダー個人の世界でのことなのです。
実際に試した「3秒ルール」と「後でフォロー」の効果
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とはいえ、「全部の相談にすぐ対応しなければならない」となると、リーダーの負担が増えてしまいます。そこで、私が実際に試して効果を感じたのが、「3秒ルール」と「後でフォロー」の組み合わせ です。
1. 「3秒ルール」で一旦向き合う
「今ちょっといいですか?」と部下に声をかけられたとき、たとえ忙しくても 3秒だけ 目を止めて、相手の顔を見て「どうした?」と問いかけてみます。これだけで、メンバーは「話を聞いてもらえた」と感じ、安心できるのではないでしょうか。
この3秒で、「緊急度の高い相談かどうか」 を判断することだってできます。例えば、
- 緊急ならその場で対応する(「すぐ対応しないと大問題になりそう」な場合)
- 少し待てるなら、後で時間を取る(「○時に5分時間取るね」と約束する)
メンバーが相談をためらう最大の理由は、「話しかけたら迷惑かな」と思っていることです。3秒だけでも目を向けることで、その不安を軽減できます。
2. 「後でフォロー」で信頼を築く
その場ですぐに対応できない場合、「○時に話を聞くね」と約束し、本当にその時間にフォローします。ここで重要なのは、約束を必ず守ること 。リーダーが一度約束を破ると、「どうせ聞いてもらえない」と思われ、次第に相談しづらい職場になってしまいます。
私がこれを実践してみたところ、メンバーの相談に問題なく乗れたし、私自身もイライラを引きずることがなくなりました。結果的に、私自身の集中できる時間が確保できるようになりました。
短期的な効率より、長期的なチームの信頼を大切に
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リーダーとして、目の前の業務を効率的に進めることは大切です。しかし、チーム全体の信頼関係を築くことは、それ以上に重要 です。
忙しいときにメンバーの声を無視してしまうと、長期的には次のような影響が出る可能性があります。
- メンバーが相談をためらうようになる
- 小さな問題が放置され、大きなトラブルに発展する
- 「話しかけにくい上司」と認識され、チームの心理的安全性が低下する
部下の離職につながった例もありました。
「3秒ルール」と「後でフォロー」はおすすめです!
・部下が安心して相談できる環境が生まれる
・無駄な報告や相談が減り、本当に必要なことが伝わるようになる
・チームの信頼関係が強まり、結果的に仕事がスムーズに進む
「忙しいときこそ、部下の声に耳を傾ける」ことを意識するようになってから、自分の余裕ができました。以前よりメンバーと関わりやすくなっていきました。短期的な効率だけを考えると「今は無理!」と断ってしまいがちですが、長期的に見れば、少しの余裕が大きな信頼につながるのです。
「今は無理!」ではなく、「ちょっとだけ聞くよ」「後で必ず話そう」
そんなスタンスを意識するだけで、自分の在り方も、職場の雰囲気も、
変わっていくのかもしれません。
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