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「イラッとしたら、6秒待て」。
これは、ビジネスシーンでもよく言われる感情コントロールのテクニックですが、実際のところ、「6秒経っても怒りが収まらない!」という経験、ありませんか?
リーダーとしてチームをまとめていると、部下のミスや思うように進まないプロジェクトに対して、感情が揺れることは日常茶飯事です。
しかし、リーダーが感情に振り回されると、チームの雰囲気や仕事の進め方にも悪影響を与えてしまいます。
では、どうすれば「感情に支配されず、冷静に思考し、適切な行動を取る」ことができるのでしょうか?
今回は、リーダーとして知っておきたい 「感情のコントロール」 について考えていきます。
感情は勝手に生まれ、行動を左右する
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まず知っておくべきことは、感情の発生自体はコントロールできない ということです。
「怒らないようにしよう」「動揺しないようにしよう」と意識しても、思うようにはいかないもの。
なぜなら、人は 外部からの刺激(部下の発言や仕事のトラブルなど)に反応し、瞬時に感情を抱く仕組み になっているからです。
そして、多くの場合、感情が私たちの行動を決定づけます。
怒っているときは声が荒くなり、イライラしていると部下のミスを責めたくなる。
逆に、気持ちが落ち着いていると、理性的な判断がしやすくなります。
では、感情を抑えるのではなく、感情とうまく付き合いながら、行動をコントロールするにはどうしたらよいのでしょうか?
「6秒待て」は本当か?
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「怒りのピークは6秒」とよく言われます。
これは 「6秒経てば感情が完全に収まる」 という意味ではなく、
「生命の危機に直結するほどの強いストレスは、6秒程度しか維持できない」 ということです。
確かに、極端に激しい怒りや興奮は、数秒でピークを過ぎます。
しかし、だからといって 「6秒経ったら冷静になれる」 とは限りません。
実際、「6秒経ったのにまだイライラする!」という経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか?
6秒は確かにやり過ごした方が良いのですが、
どうすれば 「6秒」 をうまく活用し、感情に流されないようにできるのか、
ここに焦点を当てて考えてみましょう。
「6秒」をどう使うかがカギ
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おすすめなのは、「6秒をただ待つ」のではなく、「その時間に感情の影響を弱める行動を取る」 ことです。
・その場を一度離れる
・視線を変える(窓の外を見る、席を立つ)
・上を向く(視線を変えることで気持ちも変わる)
人間は情報の約8割を視覚から得ています。
「見るもの」が変わると、「気持ち」も変わりやすくなるものです。
たとえば、旅行先で壮大な景色を見たとき、
日常の悩みが小さく感じられた経験はありませんか?
それと同じように、意識的に視線を変えることで、
感情の流れを変えることができます。
思考に切り替えるテクニック
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さらに上級編として 「意識を思考に向ける」 方法もあります。
感情に支配されているとき、無理やり思考に切り替えることで、感情の影響を弱めることができます。
✅ 英語で曜日を逆から言う
✅ 九九を逆から言う
感情と思考は、脳内で「ひとつの容量」をシェアしています。
つまり、感情に集中しているときは思考が弱まり、思考を強めると感情が小さくなるのです。
これは、日本にいるときには気づかなかった日本の特有さに、海外に行ったときに初めて気づくのと似ています。
感情の渦中にいるときは、その影響を自覚しにくいものですが、意図的に別のことを考えることで、冷静さを取り戻すことができます。
継続的なトレーニングが大切
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これらの方法は、知っているだけでは役に立ちません。
日常の小さな出来事で、自分なりにトレーニングしてみることが大切です。
✅ ちょっとイライラしたときに視線を変えてみる
✅ 気持ちが昂ったときに深呼吸をしてみる
✅ 反射的に言葉を発しそうなときに、数秒だけ思考を入れる
感情に支配されるのではなく、感情とうまく付き合いながら、冷静な思考を取り戻す。
この力を鍛えることで、リーダーとしての判断力が磨かれ、チームの信頼も深まっていくはずです。
ぜひ、今日から 「6秒の使い方」 を意識してみるのはどうでしょう?
ポイントをまとめてみました!
・感情の発生自体はコントロールできないが、行動はコントロールできる
・「6秒待て」と言われるが、ただ待つのではなく、その時間を有効活用することが重要
・視線を変える・その場を離れることで、感情の影響を弱められる
・思考に切り替えることで、感情の波を抑えることも可能
・日常の小さな場面で練習し、リーダーとしての冷静さを養う
感情を適切にコントロールできるリーダーが、チームの雰囲気を良くし、組織の成果を最大化します。
ぜひ、実践してみてください。
このコラムで、リーダーの皆さんが「感情に流されない判断力」を磨くヒントになれば嬉しいです!✨
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