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「議論」と「攻撃」の履き違え

議論特性(Argumentativeness)の誤用

「私はただ、より良い結論を出すために議論をしていただけだ」
「相手の間違いを正すことは、誠実さの証ではないか」

録画を見た直後、私の心にはまだそんな言い訳が燻っていました。
しかし、こうして考察していけばいくほど、その言い訳は覆されています。

私がやっていたのは「議論(Argument)」ではないと思います。
議論の皮を被った「口頭攻撃(Verbal Aggressiveness)」なのでは。

今回は、多くの「理屈っぽい人」が陥り、そして周囲を傷つけてしまう致命的な勘違い
「議論特性」と「攻撃性」
の違いについて考えてみます。

「議論好き」は本来、長所である

「議論特性(Argumentativeness)」という概念があります。
これは、「論争的なトピックについて議論することを好み、論理的な対立を通じて解決を図ろうとする個人の傾向」のこと。

この「議論特性」が高いことは、心理に携わる研究家は肯定的に捉えられています。
なぜなら、議論は身体的暴力に頼ることなく対立を解消するための社会的なスキルであり、創造的な問題解決や、組織の活性化に寄与する重要なリソースだからです。

「なんだ、じゃあ議論OK?」

一瞬そう思いました。
結論から言うと、議論OK!

しかし、落とし穴があります。
その落とし穴に落ちました、わたし。
議論特性には、似て非なる「双子の兄弟」のような、もう一つの特性が存在するのです。

議論が「凶器」に変わる時:口頭攻撃性

それが「口頭攻撃性(Verbal Aggressiveness)」。 定義を見てみましょう。

議論特性(Argumentativeness): 攻撃の対象が「イシュー(論点・考え)」に向いている。
口頭攻撃性(Verbal Aggressiveness): 攻撃の対象が「相手の人格(自己概念)」に向いている。

録画の中の私をふりかえります。
私は確かに「成人発達理論の解釈」というイシューについて話していました。
しかし、その言葉の端々には、相手を不快にさせるニュアンスがべっとりと張り付いていたのです。

「この前提に立つと、ここがおかしい」と指摘する時、私の目は「論点の矛盾」ではなく、「自分の知っている感を見せつけたい」的なことを見ていたのではないでしょうか。
自分の優位性を証明しようとする態度は、建設的な議論などではなく、言葉によるゲームのように思えます。(口頭攻撃性を直接的に発揮していないけど、結果同じ)

「理屈っぽい」とは、議論特性の暴走である

こう考えると、「論理的」と「理屈っぽい」の違いがより鮮明になります。

論理的: 議論特性を適切に発揮し、イシュー(課題)を解決するために論理を使う人。
理屈っぽい: 議論特性が暴走し、口頭攻撃性と混同された状態で論理を使う人。

私が陥っていた「理屈っぽい」状態とは、議論と見せかけて実際には相手にデッドボールをぶつけ続けている」ような感じがしました。
その上、投げている本人(わたし)は「正しいフォーム(論理構成)」で投げているつもり。これでは、受け手(相手)はたまりません。

特に議論と人格攻撃を区別するのが苦手と言われている日本人は、人格攻撃の印象をを含んだ理屈を展開すれば、それは「話し合い」ではなく、ただの不快と受け取られるのかも、です。

課題と人を切り離す

ワークショップの時、私が本来する質問は、
相手へのリスペクト(M機能)を持った上で、イシューだけをテーブルの上に載せることだったように思います。

自分の「理屈っぽさ」を恥ずかしいと感じたあの瞬間は、私が無意識に振るっていた「口頭攻撃」に気づいた瞬間でもあったのではないか、と。

う〜む、いろいろ紐解けてきました。

今、あまりに無頓着すぎたわたしが見えています。

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marco

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