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心理的安全性の高い会社の謎解き!?
いよいよ、
ハーバードビジネススクールのエイミー・C・エドモンドソン教授の研究を引用しながら、
心理的安全性のお話を進めていきます。
エイミー・C・エドモンドソン著 野津智子訳 村瀬敏朗解説
「恐れのない組織〜「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす〜」
2021年,英治出版
発売されて間がないエドモンドソン教授の著書
「恐れのない組織〜「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす〜」には、
優秀な人材を採用すればそれでいいという時代ではなく、
優秀な人材が力を合わせて仕事をする必要がある、
と書かれています。
実際、20年前と比較すると
仕事の中で「協働する時間」が50%増加しているといいます。
それなら、確かに力を合わせることに
価値が向かいますよね。
ところで、
エドモンドソン教授は、
しかし、優秀な人材が採用されても、
彼らが力を発揮するとは限らない
その理由は、
目立つことも、
間違うことも、
上司の気分を害することも、
したがらないからだ
と、言っています。
優秀であっても、能力を発揮するとは限らない
発揮するかどうかは、
当事者の「能力を発揮しても良い職場かどうか」の判断
に委ねられる
ということでしょう。
人材がいても、
心理的安全性がないと協働関係も組めません、
ってことですね。
これを読んで、
あることを思い出しました。
▶︎悍ましい暗黒時代(笑)
以前、教育担当を務めていた某組織には、
上司という存在がいました。
その上司の思う通りに動いているときは、
融通をきかせてくれたし、
助言や情報ももらうことができました。
しかし、ひとたび
その人の思いに反することを提案したり、
その人の企画について違う視点から話をすると
途端に不機嫌になり、
無愛想になり
さりげない嫌味ももらいました(笑)
程なく、
「その人の考えた通りに動かなければ
何も実現しない」
ことがわかり、
積極的に能力を発揮しようと考えなくなりました。
自分の与えられた役割をこなせるよう、
そつなくこなそうと考え始めたのです。
まぁ、最終的には「そつなく」さえも
こなせなくなりました。
その人の意に沿わない限り
何も実現しないため
することがなくなったからです。
その仕事から離れる前は、
自分にとってそこは安全な場ではないと感じていて、
極力、
肝心なことは言わないように
心がけていました ・・・・・
私が優秀な人材かどうかは別にして、
このような状態については、
エドモンドソン教授のいう「心理的安全性の低い職場」
の例に該当するでしょう。
ただし、この例は
わたし ー その人
の二者間の話だったのかもしれません。
私から他の人に
そのことについて聞いてみることはしなかったし、
長年勤めている人も多くいました。
他の人にとっては快適な職場であったかもしれません。
思い出したら、
重くなってきたので、この辺にしておきましょう(^ ^);
▶︎ダイナミックス
話を元に戻していきます。
エドモンドソン教授は、
「チーム」「グループ」という単位での
心理的安全性について研究をしています。
主に、
チームのメンバーが次々に入れ替わって
なおかつ、心理的安全性を持って能力を発揮し合えるという「チーミング」の中に
心理的安全性というものを見ています。
救命救急センターなどが
わかりやすい例として挙げられるでしょう。
医師や看護師など、当番制でメンバーが変わるけど、
いざ救急が運ばれてくると
それぞれの専門性が発揮し合える
必要な意見を述べ
相手の専門性を信じ委ねることもする
もしも、救命救急センターに「対人関係の問題」があり、
関係性悪化のリスクを恐れ
必要なことを言わず
進んで協力し合わず、
遠慮や躊躇や防衛機制で専門性を発揮せずにいれば
大変なことになります。
メンバーの変動があっても、
常に、高いパフォーマンスが出せる状態にしておく。
その要因が心理的安全性
とエドモンドソン教授は言っています。
心理的安全性は、チームの機能という捉え方で考えてみると
わかりやすいと思います(^ ^)
▶︎一般企業の心理的安全性
一般の企業でも
このような状態は想定できます。
企業の社会的責任に反するような事案が社内であるにもかかわらず、
心理的安全性の低さから看過されているケースでは、
それこそメンバーは平均値行動を取るなど
極力、保身を選択することでしょう。
パフォーマンスとは相反する結果が簡単に想像できます。
また、やがて企業のウミが表面化された時には、
社会的信用を失い、
甚大な損失・・・
になりかねません。
もしも、あなたが所属している企業が
縦割り色の濃い企業だったら、
課をまたいでプロジェクトを進めなければならない際、
「意見を言っても大丈夫」
「わからないことは質問をできる」
「間違いかもしれないけれど、考えとして出してみる」
「ミスがあっても報告できる」
など、チーム内で心理的な安全性が持てるかどうか、
想像をしてみても良いでしょう。
そして、持てないならば、
そのプロジェクトで良い結果を出せるでしょうか。
非常に難しいでしょう・・・。
▶︎心理的安全性とは
エドモンドソン教授は、自著
「恐れのない組織〜「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす〜」P14〜15で、
心理的安全性とは、大まかにいえば「みんなが気兼ねなく意見を述べることができ、自分らしくいられる文化」のことだ
と言っています。
ここで、充実太郎さんの会社を思い出してください。
社員さん達のキラキラゴールデン状態や
主任さんのセリフ。
またまた登場!キラキラゴールデン社員さん達
そして、前の号の ↓ この書き出した内容と、今号のコラムの内容を照らし合わせてみてください。
充実太郎さんの会社の社員さん達が輝いている理由を
お手元のメモに書いていただけますか?あなたの主観で良いのです。
・・・Thinking Time・・・
グッと、
心理的安全性の理解が深まってきましたか?
最後に、エドモンドソン教授の高パフォーマンス組織の呼び方をご紹介しましょう。
▶︎高パフォーマンス組織
エドモンドソン教授はこうも言っています。
リーダーは心理的に安全な企業風土ーー従業員が不安を覚えることなくアイディアを提供し、情報を共有し、ミスを報告する風土ーーを作らなければんらない。
従業員が、自分の意見が職場で重視されていると実感するのが当たり前になったら、
どんなことを達成できるようになるか想像してみよう。
そのような組織を、私は「フィアレスな組織」と呼んでいる。
エイミー・C・エドモンドソン著 野津智子訳 村瀬敏朗解説
「恐れのない組織〜「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす〜」2021年,英治出版 P15から引用抜粋
まだ、続きますよ^ ^
心理的安全性のお話。