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心理的安全性 3つの気になる問題
▶︎心理的安全性とは何?
近ごろ「心理的安全性」という言葉をよく聞きますね。
今日は、この「心理的安全性」について少し触れてみようと思います。
この言葉を説明するのに、
Googleの存在を除くにはあまりにも勝手すぎるかもしれません。
それほど、Googleはこの言葉を広めることに貢献してくれています。
Googleは2012年に、「効果的なチームはどのようなチームか」をリサーチしました。
調査対象はGoogle内のエンジニアチームと営業チーム、合計3桁のチームが調査対象になって
「成果の低いチーム」と「優れた成果をあげるチーム」を調査したそうです。
▶︎調査前の仮説
調査前には、誰がチームメンバーであるか、がポイントになるだろうと考えていたのだとか。
つまり適切なメンバーが集められれば優れた成果を挙げるチームができるだろう、
という仮説ですね。
ところが・・・・、
リサーチチームが最終的に導き出した仮説は以下の通りでした。
「誰がチームにいるか」ではなく、「チームメンバーがどのように協力し合うか」
ここで、
「チームメンバーがどのように協力し合うか」
について、少々解説を入れてみたいと思います。
▶︎チームメンバーがどのように協力し合うか
せっかくですから、
この記事をお読みの皆様にも想像を広げてみていただきたいのですが、
協力し合っているはどういう状況だと思いますか?
つまり、実際に協力し合っている場面の事例を
イメージしてみてもらいたいのです。
(ちょっと考えてみてください ^_^ )
どのようなイメージが浮かびましたか?
▶︎協力し合っているとは、どういう状況をいうか
わたしも考えてみました。
優れた結果を出している「チーム」というのですから
メンバーそれぞれの役割が具体的になっていて、
それがチーム内で共有されているし、
尊重もされている。
そして、
「協力し合っている」ということは、
それぞれが
それぞれの
役割を
ただ、全うしている
ということではない
と思います。
「協力し合っている」は、
互いのリソースを差し出し合っている
最近よく耳にする「GIVE」が積極的に行われている状態ですね。
そこには、メンバー間で
”何らかの関わり合い”があることがわかります。
では、どんな関わり合いでしょうか。
Aさん「この情報使っていいよ」
Bさん「あ、ありがとう。俺の情報も使っていいよ」
Aさん「あ、ありがとう」
Cさん「ここは俺ができるから手伝おうか?」
Dさん「あ。ありがとう。頼むよ。俺もできることを手伝うよ」
う〜む・・・(^_^;)
この状態のチームだと、
設定した目標を達成できそうなイメージはできますが、
「優れた成果を出す」イメージは持ちにくいように感じます。
では、「協力し合っている」のはどんな状態のチームでしょうか。
それを考えるために、
わたしの苦い思い出を
披露しようではありませんか。
f(^_^);
▶︎言えない 言わない 変わらない
ある法人で教育担当をしていたときに、
当時の上司の出してきた企画に違和感を感じました。
その企画の根拠・論拠がなかったからです。
少し乱暴な言い方をするならば
「思いつきで作った企画なのかな」
そんな印象さえ持ってしまったのです。
わたしが知っている事例からは、
真逆の結論(企画)が適切では無いかと思えました。
ずいぶん悩み、
ある時、自分の考えをぶつけてみました。
流石に、上司の企画では無理があると思ったからです。
論拠を示して、企画をもう一度練り直してみることを
できるだけ柔らかく提案してみました。
しかし、わたしの見解は
上司に一笑に付され、
怒りを買ってしまい、風とともに消えてしまいました。
わたし以外にも、
それぞれの立場で意見を持っていた人がいて
意見を言ったりなどの発言をしていましたが、
いずれも上司によって却下されました。
ちなみに、その会議には
上司以外に役職を持っていた人も出席していましたが、
役職者がみんな上司に賛同をしました。
しかし、その賛同の理由は、
よくわからない個人的感想と思われる内容だったので
残念でした。
次の会議の時。
上司は自分の企画以外のものは
受け付ける気はない態度でした。
メンバーもそれを察知して、
もう、意見を言うメンバーはいませんでした。
自分も、
その場は安心して発言ができる場ではない
と警戒心を抱いていたので、
調べたことや、意見や、アイディアを話しませんでした。
コメントを求められても、曖昧な返事をしました。
その企画は、結局うまくいきませんでした。
損失も生みました。
これを機に、それ以外の場面でも、
発展的な発言や提案はしなくなりました。
ところで、数ヶ月経った頃、
その上司が、新しく着任したさらなる上司に、
「平澤は、自分のいうことを聞かない」と
言っていたことが耳に入ってきました。
安全な職場ではないことを痛感し、
数ヶ月後、その職場を辞めました。
▶︎協力の内容は、心理的安全性
Googleの調査によると、
その協力の内容としては、
圧倒的に「心理的安全性」が重要だと結論づけています。
質問ができる
意見が言える
質問や意見を聞き入れてもらえる
無能だと思われるようなことはない・・・
このような安全な場であることが、
協力し合うという風土を作り、
優れた効果を出せるチームという結論です。
そして
離職率が低く、
収益性も高い
とも言っています。
「対人関係に関するリスク」が高いチームは、
心理的安全性が低いチーム(”チーム”と表現してもいいのかな?)で、
離職率も高く、
収益性も低い、
これがGoogleが出した結論です。
注目したい3つの問題テーマ
(1)対人関係に関するリスクが高い
(2)離職率が高い
(3)収益性が低い
皆様のチームは
「心理的安全性」がどれほど担保されているでしょうか?
メンバーは自由に意見を言えるでしょうか?
躊躇して質問を言えない、ということはないでしょうか?
ぜひ、チームの点検をしてみると
良いと思います。
わたしがよくいうのは、
チーム運営には、必ずメンテナンスが必要だということ。
調子の良い時こそ、
チームの様子に気を配る。
チームの状態には必ず周期がありますので、
成熟期であることにあぐらをかかないことが大事です。
それと、問題点は心理的安全性が低いことではなく、
心理的安全性が低いことを取り扱わない(メンテナンスしない)ことです。
今回は、職場の心理的安全性を高めるためのヒントとなる
組織内のコミュニケーションのポイントを紹介している書籍を参考までに。