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「なんとなく」で始めていませんか?タスクの立て方がもたらす差

「今日は〇〇に手をつけよう」と頭の中でぼんやり思ったまま、気がつけば夕方。思ったほど進んでいないし、他の用事に振り回されたような気もする…そんな経験、ありませんか?

私は、あります。
「今日は少し余裕があるから、あれもこれもやろう」と意気込んでPCに向かった日。最初にメールを整理していたら、1件ずつの返信に意外と時間がかかり、そのまま午前が終わってしまったことがありました。
「…あれ? 今日、何してたんだっけ?」と、自分でも笑ってしまうくらい、やった感だけが残る日。あの日の手帳は、やりかけのタスクでいっぱいでした。

このように、タスクを「なんとなく」で始めると、時間は使ったのに成果が見えづらい、という事態が起きやすくなります。
「何を、どこまで、どういう状態になったら完了か」を言葉にしておくこと。それだけで、仕事の見通しはぐっとクリアになります。

タスクを立てるとは、仕事の「地図」を描くようなもの。目的地が明確であればあるほど、そこに向かう道筋も自ずと見えてくるように思うのです。

「気づけば深夜」失敗事例に学ぶ、タスク設計の落とし穴

数年前、とあるプロジェクト準備期間中に私は大きな落とし穴に落ちました。
「3週間もあるから、余裕だろう」とのんびり構えていた私は、目の前に思いついた作業から順に着手していきました。企画書の素案、パワポの下書き、資料集め…。なんとなく手を動かしているうちに、あっという間に2週間が過ぎていたのです。

そして迎えた最終週。
「この企画、方向性がずれてるかも」という一言から、慌てて軌道修正。あちこち修正し、確認し、また修正…。結果、納品前夜は見事に徹夜。心の余裕もなく、クオリティも満足とは言えない仕上がりになってしまいました。

あのとき、「まず全体を洗い出し、タスクの順番と期限、確認ポイントを整理しておく」ことをしていれば、もっと落ち着いて進められたはずです。
焦っているときほど、「計画を立てる時間がもったいない」と感じてしまうもの。でも実際には、最初の10分で整理しておくことで、あとからの迷いややり直しの時間をずいぶん減らせたかもしれません。

「やるべきことが見えた瞬間、流れが変わった」成功事例にみる、タスク設計の力

逆に、「ちゃんとタスクを立てておいて良かった」と感じた経験もあります。
ある企業研修の準備を任されたときのことです。テーマはやや抽象的で、「何を目指すか」が曖昧になりやすい内容でした。

私はまず、「研修後に受講者がどうなっていてほしいか」を言語化するところから始めました。
「受講者が〇〇について自分の考えを語れるようになる」——このゴールから逆算して、「問いの設計」「ワークの構成」「事前課題」などのタスクを整理し、ひとつひとつ明確にしていきました。

その結果、関係者との調整もスムーズに進み、「今どこにいるか」「次に何をすればよいか」が常に見えていました。
当日の研修も無事に終わり、「こんなにわかりやすくてありがたいです」と感想をいただけたとき、「地図を描いて進むって、こういうことか」と実感しました。

タスクは、考えるエネルギーを先払いすること。
その先にある余裕や安心感は、想像以上に大きなものなのだと思います。

今日から試せる、小さなタスク設計術

「タスク設計」と聞くと、なんだか大げさに感じてしまうかもしれません。
でも、実際には小さな工夫で、日々の仕事はずいぶんラクになります。

たとえばこんな工夫から、始めてみるのも良いかもしれません。

  • 「今日やること」を3つまでに絞って書き出す
  • 「完了の状態」を一言で表現しておく(例:「◯◯にメールを送ったら完了」)
  • 「時間がかかりそうなもの」と「すぐ終わりそうなもの」を分けておく

この3つだけでも、やることの輪郭がくっきり見えてきます。

忙しい毎日だからこそ、「考えずに動ける」状態を先につくっておくことは、自分への大きなプレゼント。
タスクを立てるというのは、未来の自分のために、少し先回りする思考のクセなのかもしれません。

毎日は小さな選択の連続です。
だからこそ、「どれから、どこまで」を言葉にしておくことで、まだ見ぬ可能性が眠っているのだと思います。

この記事を書いた人

marco

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