
なぜあの人に腹が立つのか? ― 思考の癖との出会い
職場での人間関係は、意外なところで私たちの感情を大きく揺らします。
例えば、自分の意見を主張するばかりで、
人の意見を受け止めるような表現をしない人。
相手にはそんなつもりがなくても、
こちらとしては「まるで私の話を無視しているみたい」と感じて、
腹が立ってしまうことがあります。
以前、同じ職場でとても頭の切れる20代の女性と一緒に仕事をしていました。
頭脳明晰だけでなく、非常にスマートに業務に取り組む女性でしたが、
問題は、コミュニケーションでした。
対話は、息が合わないとできない
わたしはいつも思うのですが、
息が合わないと対話ができない。
コーチングをしていても、
特にカウンセリングをしているときに感じることですが、
息が合うって本当に大事だと思います。
その彼女とは、
会話をしている間中、
「こちらの意見は一切受け入れられていない」と思わされることが多くありました。
彼女の主張もわからないでもないのですが、
コミュニケーションは、その内容が正しいか正しくないか、で
交わされるものではないように感じています。
そんなふうに思うわたしと、
自分の正当性を主張することに注力する彼女の間には、
完全にチャネルのズレが生じていました。
わたしの中に「自分の方が30歳も上だ」というメンツみたいなものも
あったのは否めませんが。。。。
年上というだけでなく、
経験や立場などを含めて、
彼女の自己主張についていけないと感じがちでした。
一言で言うと、わたしは彼女に腹が立っていたのです。
評価的な受け止め
人間関係で腹が立つとき、
相手の言動そのものよりも、
「自分の中での解釈」が感情を膨らませている場合があります。
いわゆる「評価的な受け止め」と呼ばれているものです。
相手を「受け入れない人だ」と一度思い込むと、
その後のやり取り全てがそう見えてしまうのです。
その時のわたしはそうでした。
自分の思考の癖に気づく
ここで大切なのは、「相手が変わるのを待つ」ことではなく、
「自分の思考の癖に気づく」ことです。
その彼女との話なのですが、
「この人は受容表現が薄い人」とラベルを貼るように意識してからは、
少し冷静に関われるようになり始めました。
もちろん感情は揺れていましたが、
それ以前ほどは消耗しなくなったのです。
「なんで私はこんなに腹が立つのか?」
と立ち止まること。
それが第一歩になりました。
そして、彼女との戦いはまだまだ続いたのであった。
(勝手に妄想しているだけですが)
