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「悪口」が止まらない

〜“正しさ”が人間関係を閉ざすとき〜

誰かの悪口を耳にすることは、決して珍しいことではありません。

「ほんと使えないよね」
「なんであの人だけ評価されるの?」
「普通そんなことする?」

そうした言葉を聞いていると、私は時々、ある種の“安心感”のようなものが、その場に漂っていることに気づきます。

悪口というのは、不思議なもので、言っている側には一瞬の高揚感があります。
心理学では、人は「自分が正しい」と感じた時、自尊感情が一時的に満たされやすいと言われています。

つまり悪口とは、
「自分のほうが正しい」
「自分のほうがまともだ」
という感覚を、一瞬だけ強めてくれる行為でもあるのです。

実際、人は不安や劣等感を抱えている時ほど、“誰かとの比較”で自分を保とうとしやすくなります。

これは社会心理学でいう「下方比較」という現象に近いものです。
自分より“下”だと思える対象を見つけることで、自分の心のバランスを保とうとするのです。

ですから、悪口を言う人が“悪人”というより、
むしろ「心が疲弊している状態」であることも少なくありません。

ただ、ここで難しいのは、
悪口には“依存性”があることです。

依存性がある「悪口」

一瞬スッキリする。
仲間との一体感も得られる。
「わかる〜!」と言ってもらえる。

すると脳は、「これは自分を守る方法だ」と学習してしまいます。

けれど、その代償は意外と大きいのではないか、とわたしは思っています。

悪口は、「自分は正しく、相手が間違っている」という前提で成り立っています。
その状態が続くと、人はだんだん「自分を振り返る」という行為をしなくなります。

本来であれば、

「なぜ私はこんなに反応したのだろう」
「何が引っかかったのだろう」
「自分にも改善できる点はあるだろうか」

という問いが、私たちを成長させます。

しかし、“相手が悪い”で思考が止まると、工夫も改善も起こりにくくなるのです。

学ぶということ

私は研修の現場で、
チーム内のコミュニケーションが停滞している組織を見ることがあります。

そうした場では、「問題のある誰か」の話題が繰り返される一方で、
「自分たちはどう関わると良かったのか」
という対話が極端に少ないことがあります。

これは組織心理の観点で見ると、とても重要なサインです。

悪口が増える組織は、
“問題解決”よりも、“感情処理”にエネルギーが使われ始めている状態だからです。

さらに、人間関係には「情動感染」という現象があります。

これは、感情が周囲に伝播するという心理学の概念です。

たとえば、機嫌の悪い人が一人いるだけで、場の空気が重くなることがありますよね。
反対に、安心感のある人がいると、場が穏やかになることもあります。

感情は、想像以上に“共有”されるのです。

悪口も同じ、と考えると、
話している本人はスッキリしているかもしれませんが、
聞いている側は、知らず知らずのうちに緊張感や不快感を受け取っています。

強いストレスを受けると、
身体ではコルチゾールというストレスホルモンが分泌される
いいます。

つまり悪口は、「ただの会話」ではなく、
周囲の心理的安全性にも影響を与えている可能性があるのです。

もちろん、人間ですから、
不満がゼロになることは・・・ないでしょう。

私も相手に対して、「それはないでしょう……」と思う瞬間、
あります。

ただ、その時に大切なのは、
“その感情を、どう扱うか”
なのだと思うのです。

悪口は、短期的には心を守ってくれることがあります。
けれど長期的には、
「他者を下げることでしか、自分を保てない状態」を強化してしまうこともあります。

だからこそ私は、
悪口を言わないことが“立派”なのではなく、

が、大人の人間関係の力なのではないかと思っています。

ちなみに、わたしはまだ下手な状態ですが、
他者攻撃以外の方法ならなんでもいいから!的なことから始めて、
いろいろ試している日々です。

いずれは、スマートな方法を会得できるかな?と
早、40年ほど🤭 いつまでも発展途上にいます。

話が横道にそれましたが、
良い組織というのは、
“正しさの競争”ではなく、
「どうすれば、もう少し良い関係をつくれるか」
を一緒に考えられる場所なのかもしれません。

この記事を書いた人

marco

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