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リーダーの無言のメッセージ

問題発言をしなければいいのか。問題行動を取らなければいいのか。

職場におけるリーダーの影響力は大きいものです。発言ひとつでチームの雰囲気が変わることもありますし、何気ない態度がメンバーの行動を左右することもあります。

「私は暴言なんて吐いていない」「理不尽な命令をしたわけじゃない」と思っているリーダーでも、メンバーの前で見せる態度によっては、チームの士気を下げてしまうことがあります。

たとえば、思い通りに動かないメンバーに対して、あからさまに冷たい態度を取ったり、目も合わせず、必要最低限の指示だけを淡々と伝える。いや、必要最低限の指示さえ出さない。 あるいは、声をかけてきた部下に対し、返事をせずに無視する。

言葉としては何も問題発言をしていないかもしれません。 直接的なパワハラ発言や暴力はない。でも、その態度はどうでしょうか?

「何も言っていないのに、なぜか部下が萎縮する」「最近、チームの雰囲気が悪い」と感じたら、それはあなたの感情的な側面を、あなた自身が相手に伝えているからではないでしょうか。

今日は、自分の経験を思い起こしながら、このテーマに迫ってみようと思います。

無言の威圧や、無視も、明らかに「行為」である

「何もしていないのに」と言う人がいますが、実は「無視すること」も行動のひとつです。態度もまた、強いメッセージを持ちます。

たとえば、チームメンバーが提案をしたときに、リーダーが黙ったまま、まったく反応をしなかったらどうでしょうか? 提案したメンバーは「自分の意見は価値がないのかもしれない」と感じます。そして、それを見ていた周りのメンバーも「このチームでは意見を言わないほうがいいのかも」と萎縮してしまうかもしれません。

また、特定のメンバーにだけ冷たい態度を取ることも、立派な「行為」です。部下は非常に敏感で、「あの人に、気に入られていない」とすぐに察知します。そして、それが続くと、本人のモチベーションが下がるだけでなく、周りのチームメンバーも気を遣い、職場の雰囲気が悪くなっていくのです。

私が経験したケースでは、「いや、俺をこんなにイラつかせているのは、あんたがとろいからだ」と言われたことがあります。俺は悪くない、お前のせい、ってやつですね。

それは感情に支配されている証

なぜ、人は無視や威圧的な態度を取ってしまうのでしょうか? それは「感情に支配されている証拠」かもしれません。

人間ですから、イライラすることもありますし、思い通りにならなくて腹が立つこともあるでしょう。でも、その感情に抗うことなく態度で示してしまうのは、すなわち相手に押し付けていること。 リーダーとしては考えものです。

部下の態度が気に入らないとき、それを表に出してしまうのは、いわば「子どもがすねている状態」に近いかもしれません。

「この人には何を言ってもダメだ」と突き放す前に、「なぜ、自分はこんな態度を取ってしまうのか?」と一度考えてみるのはどうでしょうか。

何度言っても改善しないメンバーに困っているリーダーも実際にいることでしょう。しかし、そのことと無視をするのは別のこと。困っているなら解決する道を模索するのがリーダーの役割です。そして、それに対して部下も自分の行動改善に取り組まなければなりません。そして、今ここで取り上げているのは、そうしたこととは違い、感情的になったリーダーがその感情を部下にぶつけることについてです。

多くの場合、相手の問題だけでなく、「自分がどう感じたか」「どのように受け止めたか」が影響しています。相手に問題があるように見えても、自分の感情が先行してしまうと、適切な対応ができなくなってしまうのです。

冷静になれる術を持とう

では、どうすれば感情に流されずに、冷静にリーダーシップを発揮できるのでしょうか?

まず大切なのは、「感情と行動を切り離す意識」を持つことです。怒りや苛立ちが湧いたとしても、それをそのまま態度に出すのではなく、一旦立ち止まってみる。「今、自分は感情に流されていないか?」と自問するだけでも、行動は変わります。

また、普段から「冷静になるためのスイッチ」を持っておくのも有効です。

  • 6秒間、深呼吸をする。
  • コーヒーを一口飲む。
  • 一度、席を立って別の場所に移動する。

ほんの数秒のクールダウンでも、感情を整理する時間になります。

さらに、もし特定の部下に対して苦手意識がある場合は、「相手の背景を知る努力」をしてみるのもおすすめです。その人がなぜそういう行動を取るのかを知ることで、「単に反抗しているわけではないのかも」と見方が変わることもあります。

リーダーの態度は、部下にとって「職場の空気」そのものです。自分では何もしていないつもりでも、周りにはしっかりと伝わっています。

感情を一度落ち着かせてから、言動のコントロールができること。そうした冷静なリーダーシップを発揮すること。それが、チームの成長につながる大切なポイントではないでしょうか。

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marco

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