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日本中のリーダーが悩んでいること⑨理解と尊重を基盤としたチームの文化

「最近、チームの雰囲気がギクシャクしている気がする」
「意見を出し合う場なのに、発言する人が限られている」
管理者から、最近受けた相談です。

チームには、性格や価値観、働き方の異なるメンバーが集まっています。
だからこそ、互いの違いを理解し、尊重し合う文化がなければ、対立やコミュニケーションのズレが生まれやすくなります。ですから、「自分の考えを大切にしながら、相手の考えも尊重できる」 文化が根づけば、チームの結束力は自然と高まり、成果にもつながるはずです。

てなわけで、シリーズ最終回の今回は、
チームの理解と尊重を深めるためのアプローチについて考えていきます。

多様性を活かすチームづくり

多様なバックグラウンドを持つメンバーが集まるチームでは、価値観の違いからすれ違いが生じることも少なくありません。
例えば、「細かいところまでしっかり計画を立てたい人」と、「とりあえずやってみよう!という人」が同じプロジェクトを進めると、意見がぶつかることがあります。(私自身、経験があります😰)

このような場面で大切なのは、「どちらが正しいか」ではなく、「それぞれの強みをどう活かすか」を考えることだと思います。計画を重視するメンバーはリスク管理が得意であり、スピード感を大切にするメンバーは柔軟な対応力という強みを持っているでしょう。この2つの視点が組み合わさると総合的な判断ができるのではないでしょうか。

ある団体で、メンバーの価値観や働き方の違いを知ることを目的として「お互いの仕事観を共有する研修」を実施しました。「どんなときにやりがいを感じるか」「どんな働き方が得意か」といった質問を通じて、自分と相手の違いを理解する機会を設けたのです。その結果、メンバー同士が互いの考え方を知り、「相手はこういう視点で考えていたのか」と納得感が生まれ、職場で協力しやすくなったという報告をいただきました。

多様な価値観を持つメンバーの違いを「衝突の原因」ではなく「強み」として捉えることであらゆる可能が見えてくるのではないでしょうか。

メンバー同士の尊重を促進するためのコミュニケーション

チームの文化を作るうえで重要な「日々のコミュニケーションの積み重ね」。
相手を尊重する気持ちがあっても、伝え方ひとつで誤解を招いてしまうこともあります。

例えば、「そのやり方、ちょっと違うんじゃない?」と指摘するのではなく、「こういう方法もあるかもしれないね」と提案の形に変えるだけで、受け取る側の印象は大きく変わります。

ある会社で「フィードバックの文化を根づかせる取り組み」として、週に一度、チームメンバー同士で「感謝のメッセージ」を送り合う習慣を始めました。「〇〇さんのサポートのおかげで助かった」「△△さんのアイデアが新しい視点をくれた」など、小さなことであっても言葉にすることで、メンバー同士の衝突が急激に減っていきました。緊張が強かった関係性が温かいものになった例です。

また、「安心して話せる場」を設けて、上司や同僚に対して「困っていることがある」「こういう働き方をしたい」といったことを気軽に話せる環境があれば、メンバーは「自分の意見を大切にしてもらえている」と感じ、チームへの信頼感が高まるでしょう。

安全な環境が生むチームのパフォーマンス向上

「このチームなら大丈夫だ」と思える環境は、チームのパフォーマンスを大きく向上させます。これは、「心理的安全性」と呼ばれる考え方です。

心理的安全性が高いチームでは、メンバーが「失敗を恐れずに発言できる」「わからないことを素直に聞ける」といった特徴があります。Googleの調査によると、高い成果を上げているチームほど、この心理的安全性が確保されていることがわかっています。

では、どうすれば心理的安全性を高めることができるのでしょうか?

ポイントのひとつは、「失敗を責めるのではなく、学びの機会と捉える文化を作ること」です。

例えば、「ナイスチャレンジ賞」と称した表彰システムを導入し、「新しいことに挑戦し、たとえうまくいかなかったとしても、その経験をチームで共有し、学びに変える」という文化を根づかせる取り組みが挙げられます。このような仕組みがあると、メンバーは自信を持ってアイデアを出し、挑戦しやすくなるでしょう。

また、リーダー自身が「わからないことは、わからないと言う」「失敗したときに、自分から素直に認める」といった行動をとることも大切です。そうすることで、メンバーも「完璧でなくていい」と安心し、のびのびと働くことができます。

あるチームでは、指示通りに動けない部下に対し、リーダーが無視をしたり嫌味を言ったりしていました。その結果、無視される側のメンバーは常に萎縮し、「いつ怒られるかわからない」と不安を抱えていました。周囲のメンバーも、「逆らうと自分も同じ目に遭うかもしれない」と警戒し、静かに従うようになりました。そして、無視されているメンバーを助けることもありませんでした。
一見、不思議に思えるかもしれませんが、そのチームはこうした関係性の中で均衡が保たれていたようです。そのため、表面的には長く続いていました。しかし、客観的に評価すると問題点ばかりが浮かび上がります。たとえば、業績は一向に向上せず、リーダーの社内評価も低いまま。さらに、一定期間を経るとメンバーが次々と退職していくという状況が続いていました。こうした現象は、組織にとって大きな損失といえるでしょう。

のびのびチームが好き

私は、のびのびと仕事ができるチームが好きです。それは、個々の強みを活かせる自律したメンバーの集まりです。

チームの理解と尊重を深めることは、単に「仲が良い関係を作る」ことではないと思っています。
多様な考えを受け入れ、個々の強みを活かしながら、成果を最大化するための土台ではないでしょうか。

リーダーとして何ができるのか
私たちは、改めて自分に問いかけていく必要があるのではないでしょうか。


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